句読点(くとうてん)や括弧(かっこ)などの特殊な記号のことを、約物(やくもの)と言います。
約物は、和文(日本語)と欧文で違っていたり、禁則処理(句読点が行頭にあってはいけないなどの制限)にも関係していますので、注意が必要です。
似た記号もあり、間違って使っている可能性もあります。
特に日本語の場合、日本独自の記号と、感嘆符や疑問符など他の国の記号を利用している場合もあります。

半角と全角もあるよね
今回の記事は
【誰に】約物、記号について知りたい方、正しい記号の使い方について確認したい方
【何が】約物の種類や、使い分け、注意する記号について理解できます。
区切り

「くぎり」は、文や言葉を区切るときに使う記号です。
コロンとセミコロンについて

コロン、セミコロンは、どちらも文や言葉の区切りを示します。
コロンは、時間の表示や引用や例示する前などに使われます。
10:00(コロン)
BOOK:本のこと(コロン)
セミコロンは、コンマが続くときなどに、大きな区切りを作るために使われます。
日本語で使われることはほぼありません。
ピリオドとカンマについて

ピリオドとカンマは、基本的には欧文で使う句読点です。
ただし、和文の公用文でカンマ( ,) と句点( 。) が使われる場合があります(横書きの場合です)。
つなぎ

つなぎは、言葉と言葉をつなぐときに使う記号です。
ハイフンとダッシュ(ダーシ)について

-:ハイフン
— :全角ダーシ(ダーシ)
– :二分ダーシ(半角ダーシ)
——: 2倍ダーシ(2倍角ダーシ)
ハイフンは、複合語の単語を区切る時に使われます。また、英単語が2行に分かれてしまうときに、前の行の終わりに置きます。
ダッシュ(ダーシ)は、言葉の「間」を表わします。また、説明を入れるときの丸括弧のようにも用いられます。
ダーシは、半角のダーシ(半角ダーシ)や、二本つなげて長くしたダーシ(2倍角ダーシ)もあります。
「コミュニケーション―会話―」 ⇒「コミュニケーション(会話)」と同じ意味

棒線って他にも似たものがあるよね

はい、他にもありますね。
似た形の文字・記号
一:漢数字のいち
ー:音引(おんびき)、長音符
-:数字記号のマイナス
‾:オーバーライン
_:アンダーライン
パソコンで入力するときには、変換候補の表示のところにカッコで記号名が出る場合があるので、確認してみてください。
かっこ

「かっこ」は言葉をはさんで、他の言葉と区別したり、強調したりする記号のことです。
会話文を文章にするときには「」を使います。
『』は、本や映画などのタイトルを表すときに使います。
(小かっこ)の和文と欧文について

小カッコ「( )」は和文でも英文でも使いますが、和文書体と欧文書体では、かっこが付く高さが違います。

日本語の中に英語が混じっている文では、和文のかっこに統一するのがよいでしょう
本(BOOK)⇒◎
本(BOOK) ⇒△
しるしもの

「しるしもの」は、複数の項目を比較するときに使ったり、文章の補足をする際の先頭に付けたりする記号です。
アスタリスクについて
アスタリスクは、少し注意が必要な記号です。
日本語だと「※(こめじるし)」にあたります。
アスタリスクは、注釈の表記で使われますが、その際、文字の上に小さめに書かれていると思います。
何かの言葉*1
この上に小さめにかかれていることを「上付き」と言います。
注意が必要なのは、最初から上に小さく入るようにデザインされているフォントがあることです。
最初から上付でデザインされているフォントはそのまま利用できますが、他の文字と同じサイズのフォントの場合には、入力後に自分で調整(上付き文字として指定)する必要があります。
また、アスタリスクの形(放射線の数)が6 本ではなく5 本になっているフォントもあります。

書体によって違いますので、確認してから使いましょう。
井げたとシャープについて

「井げた」は、番号を示す数字の前に置かれる記号で、「シャープ」は音を半音高めるという意味の音楽記号です。

ハッシュタグってこんな感じじゃなかった?

はい、ツイッターなどで使う「ハッシュタグ」は「井げた」の半角文字になります

シャープとは違うのね?

はい違います。見極めるポイントは、横棒です

あっ、横棒のかたむきが違う!

井げたやハッシュタグは、横の棒が真っすぐでかたむいていないね
#:ハッシュ
#:井げた
♯:シャープ
パソコンのキーボードに載っている(日本語キーボードの「3」のところ)のは「ハッシュ」で、シャープではありません。
電話番号で「シャープを押してください」というメッセージを聞いたことがある方がいると思いますが、実は「シャープ」ではなく「ハッシュ」が正解です(取り入れた当時に間違えて伝えたのがそのままになっているそうです)。
小説を書くときのルール
私は、趣味で小説を書いていたことがあります。現在、電子書籍でも販売しています!
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ゆるーい短編小説集ですが、ご興味があればぜひご購入ください!
宣伝はこれくらいにして、小説の書き方で、約物に関してもルール(作法)がありますので、紹介します。
会話で使う「」の最後の句点は省く不要
「わかりました」と彼女は言った。⇒◎
「わかりました。」と彼女は言った。⇒△
会話のかぎかっこ内の最後に、句点は不要です。
WEBサイトの記事でも入れてないものがほとんどかと思います。
省略の・・・は2マス分で
省略を表す記号に「・・・」があります。余韻をもたせるときにも使います。
これは三点リーダ(…)を2つ組み合わせるのが小説では正式な使い方です。
沈黙のまま時は流れた……。
三点リーダは「・(中黒、中点)」から「…」に変換可能です。
「・」を三回押してから変換しても出ます。
「・・・」としたり「。。。」としたりは正式な文章では使わない方がいいでしょう。

LINEとかなら使ってもいいよね
約物(やくもの)について説明しましたが、いかがだったでしょうか?
普段文章を書く時に気をつけてみてください。

読んでいただきありがとうございました!