文章校正ソフトJust Right!7 Pro【画面、設定の説明】

ライティングの技

今回の記事は、文章校正ソフト「Just Right!7 Pro」がどんなものか気になる方や、使ってみたい方に向けて、画面構成や各種設定についてまとめた記事です。

Just Right!7 Proの特徴や、使いやすさ、実際の校正レベルについて、サンプル文章でテストした結果は、こちらの記事をご覧ください。

Just Right!7 Pro(ジャストライト)は

Just Right!7 Pro(ジャストライト)は、株式会社ジャストシステムが販売している文書校正用のソフトウェアです。

公式サイトはこちら

Just Right!7 Proを立ち上げると、上のような画面になります。

Just Right!7 Proの画面構成

立ち上げたときの画面は上のようなエリアに分かれています。

上の方には、ソフトを使うためのボタンなど、中央には校正結果が表示される編集画面、その左右に指摘の種類や内容が表示されるエリアがあります。

メニューバー

上部の「メニューバー」をクリックすると表示される項目は以下のとおりです。

カラピー
カラピー

何ができるかも書いておきますね

メニューバー(ファイル)

メニューバー【ファイル】

校正するファイルを開く
校正結果の保存
指摘結果の保存
 など

メニューバー(編集)

メニューバー【編集】

作業の取り消し
コピー
貼り付け
検索
置換 など

メニューバー(表示)

メニューバー【表示】

画面に表示する内容の選択
フォント切り替え
指摘の表示方法の設定
 など

メニューバー(校正)

メニューバー【校正】

校正の実行
校正辞書の設定
単語登録
 など

メニューバー(ツール)

メニューバー【ツール】

辞書のカスタマイズ
辞書の作成
未登録単語の抽出
単語の情報確認
 など

メニューバー(ヘルプ)

メニューバー【ヘルプ】

ヘルプ
マニュアル
サポートFAQ
公式サイト
ユーザー登録
 など

ツールバー

メニューバーの下のエリアには「ツールバー」のエリアがあり、校正するときに使うツールが並んでいます。

まず「構成設定」を選択して、「校正実行」をクリックすると、文章の校正が始まります。

指摘結果の種類別に色分けされるのですが、その色などを変更することができます。

あえて変更する理由はあまり見当たりません(見づらい色は変更してもいいかもしれません)。

「構成設定」の一覧が見れます。

「内容表示」をクリックすると、各構成設定がどういう項目で設定されているかが確認できます。

変更もできますが、変更する場合は別の構成設定を別名保存することになります。

校正設定の設定項目

標準でインストールされている校正設定の種類は以下になります。

標準
すべて
簡易
公用文
公用文(解説・広報)
スペルチェックのみ
表記ゆれチェックのみ
括弧チェックのみ

校正設定では以下の設定項目を設定することができます。

カテゴリーごとにチェック内容を個別に設定できます。

カテゴリー チェック内容 対象
誤りチェック 入力ミスなどによるまちがいがないかをチェックします。 誤字脱字、仮名遣い、慣用表現など
用語基準 適切なことばが使われているかをチェックします。 送り仮名、数字、公用文基準など
用語基準2 記者ハンドブックの校正辞書(オプション)の基準に従って、適切なことばが使われているかをチェックします。  
表現洗練 表現がわかりやすいかをチェックします。 文体、冗長表現など
字種統一 使われている文字種が統一されているかをチェックします。 単位、全角半角、記号など
長さチェック 文などが読みやすい長さになっているかをチェックします。 文の長さ、句読点間の文字の長さなど
環境依存文字 ほかのコンピューターやOSで文字が正しく表示されるかをチェックします。 機種依存文字など
印刷標準字体 印刷標準字体以外の字体が使われているかをチェックします。 簡易慣用字体など
約物チェック 約物の用法(…―の数、空白や句点の有無)をチェックします。 句読点の有無など
スペルチェック 英単語のつづりが正しいか、統一されているかをチェックします。 英文スペル
表記ゆれ 表記ゆれをチェックします。表記ゆれの対象も設定します。 外国語、カタカナ語など
括弧 括弧の対応や階層の深さをチェックします。  

誤りチェック

校正設定_誤りチェック
校正設定_誤りチェック

「誤りチェック」では、表記や表現の誤りをチェックします。

用語基準

校正設定_用語標準
校正設定_用語標準

「用語基準」では、基準に従って用語や表記をチェックします。

用語基準2

校正設定_用語標準2
校正設定_用語標準2

「用語基準2」は、別途購入が必要な「共同通信社 記者ハンドブック校正辞書」がインストールされている場合にチェックできる項目です。

表現洗練

校正設定_表現洗練
校正設定_表現洗練

「表現洗練」では、文体やわかりにくい表現をチェックします。

字種統一

校正設定_字種統一
校正設定_字種統一

「字種統一」では、文字種の統一をチェックします。

長さチェック

校正設定_長さチェック
校正設定_長さチェック

「長さチェック」では、文の長さや同じ文字種の連続をチェックします。

環境依存文字

校正設定_環境依存文字
校正設定_環境依存文字

「環境依存文字」では、機種依存文字をチェックします。

環境依存文字とは、例えばパソコンの種類やOSなどの、異なる環境で、文字化けなどを起こす可能性のある文字のことです。

印刷標準字体

校正設定_印刷標準字体
校正設定_印刷標準字体

「印刷標準字体」とは、常用漢字外の漢字の中で印刷物などに最も普通に使われてきた字体のことで、国語審議会が作成した「表外漢字字体表」に掲載されている1022字の表外字の字体のことです。

約物チェック

校正設定_約物チェック
校正設定_約物チェック

「約物チェック」は、三点リーダやダッシュ、波線などの約物の用法をチェックします。

ルールチェック

校正設定_ルールチェック
校正設定_ルールチェック

「ルールチェック」では、自分で作成したルール辞書に従って、文章をチェックします。

スペルチェック

校正設定_スペルチェック
校正設定_スペルチェック

「スペルチェック」では、英文のスペルチェックを行います。

表記ゆれ

校正設定_表記ゆれ
校正設定_表記ゆれ

「表記ゆれ」では、たとえば「受付」と「受け付け」、「1(全角)」と「1(半角)」などの表記のゆれをチェックします。

括弧

校正設定_括弧
校正設定_括弧

「括弧」では、括弧の対応や階層の深さをチェックします。

校正用辞書

校正設定_校正用辞書
校正設定_校正用辞書

「校正用辞書」では、オプション購入する拡張辞書や、自分で作成したユーザー辞書を紐付けて、設定します。

拡張辞書(オプション購入)
・共同通信社 記者ハンドブック校正辞書
・医療校正辞書
・ライフサイエンス校正辞書

スペルチェック用辞書

校正設定_スペルチェック用辞書
校正設定_スペルチェック用辞書

「スペルチェック用辞書」では、オプション購入する拡張辞書や、自分で作成したユーザー辞書を紐付けて、設定します。

引用行

校正設定_引用行
校正設定_引用行

「引用行」は引用の記号が付いている行を指摘対象からはずします(引用元の文章なので、チェックする必要がないため)。

その他

校正設定_その他
校正設定_その他

「その他」では、校正設定の内容を表す説明文を設定できます。

設定した説明文は、ツールバーの校正設定のドロップダウンリストの中に表示されます。

各構成設定の設定項目

購入した時点であらかじめいくつかの校正設定がセットされています。

標準
すべて
簡易
公用文
公用文(解説・広報)
スペルチェックのみ
表記ゆれチェックのみ
括弧チェックのみ

それぞれの構成設定で、カテゴリーごとにどの項目で何をチェックするか、あらかじめ設定されています。

最初はこの構成設定の中から設定を選んでチェックしてみましょう。

なれてきたら、自分なりの設定をカスタマイズしてみましょう。

以下、各構成設定のチェック項目になります。

誤りチェック

構成設定 標準 すべて 簡易 公用文 公用文(解説・広報) スペルチェックのみ 表記ゆれチェックのみ 括弧チェックのみ
送り仮名 本則 本則 × 公用文 公用文(解説・広報) × × ×
公用文 × × × × ×
解説・広報 × × × × × × ×
漢字基準 × 常用漢字 × 常用漢字 常用漢字 × × ×
難しい語の言い換え × × × × ×
旧字体 × × × × ×
固有名詞ふりがな付け × × × × × × ×
商標・商品名 × × × ×
辞書登録された指摘 × × ×
変更された名称 × × ×
数字の表記 少なめ 多め 少なめ 少なめ 少なめ × × ×
法人等略語 × 名称 × 名称 名称 × × ×

常用漢字のチェックなど、「公用文」、「公用文(解説・広報)」が多めにチェックしてくれます。

表現洗練

構成設定 標準 すべて 簡易 公用文 公用文(解説・広報) スペルチェックのみ 表記ゆれチェックのみ 括弧チェックのみ
文体の統一 × だ・である × × です・ます × × ×
重ね言葉 × × × ×
同一助詞の連続 × × × ×
二重否定 × × × ×
回りくどい表現 × × × ×
修飾関係 × × × × × × ×
並列関係 × × × × × × ×
ビジネス文 × × × × × ×
命令的表現 × × × ×
くだけた表現 × × × ×
括弧内もチェックする × × × × × × × ×
たりの脱落 × × × ×
べき止め × × × ×

「公用文(解説・広報)」だけが、「です・ます」のチェックをしてくれます(文章中に「だ」「である」があるとチェック)。

字種統一

  構成設定 標準 すべて 簡易 公用文 公用文(解説・広報) スペルチェックのみ 表記ゆれチェックのみ 括弧チェックのみ
単位 × カタカナ × × × × × ×
句読点 × 。、(全角) × 。,(全角) 。,(全角) × × ×
カタカナ × 全角 × 全角 全角 × × ×
数字 × 半角アラビア数字 × × × × × ×
記号 × 全角 × × × × × ×
アルファベット × 半角小文字 × × × × × ×

半角カタカナを修正したい場合は、「公用文」、「公用文(解説・広報)」がチェックしてくれます。

「すべて」でもチェックできますが、他にも不必要なチェックが多くなるので「すべて」を使う機会はないと思います。

長さチェック

  構成設定 標準 すべて 簡易 公用文 公用文(解説・広報) スペルチェックのみ 表記ゆれチェックのみ 括弧チェックのみ
× ○(140) × × × × × ×
句読点 × ○(60) × × × × × ×
ひらがな × ○(12) × × × × × ×
カタカナ × ○(12) × × × × × ×
漢字 × ○(12) × × × × × ×

たとえば一文が長かったり、ひらがなばかりが続くのを避けるためのチェックです。

けっこう便利ですが、「すべて」では、他の指摘が増えてしまうので、使いたい場合は、自分でカスタマイズして使う方がいいでしょう。

環境依存文字

構成設定 標準 すべて 簡易 公用文 公用文(解説・広報) スペルチェックのみ 表記ゆれチェックのみ 括弧チェックのみ
(機種依存文字のチェック) × × × ×
電子メール(E-Mail)で問題になる文字 × × × × × × ×
Unicodeに対応していないアプリケーションで問題になる文字 × × × × ×
ユーザー作成外字 × × × ×
(JIS X 0213:2004で例示字形が変更になった漢字のチェック) × × × × × ×
(対象) すべて すべて × × × × × ×

印刷標準字体

構成設定 標準 すべて 簡易 公用文 公用文(解説・広報) スペルチェックのみ 表記ゆれチェックのみ 括弧チェックのみ
簡易慣用字体・デザイン差などを含む文字を指摘する × × × ×

約物チェック

構成設定 標準 すべて 簡易 公用文 公用文(解説・広報) スペルチェックのみ 表記ゆれチェックのみ 括弧チェックのみ
三点リーダ(…) × × × × × × ×
二点リーダ(‥) × × × × × × ×
ダッシュ(―) × × × × × × ×
波線 × × × × × × ×
行頭に空白をあける × × × × × × ×
疑問符(?)や感嘆符(!)の後に空白をあける × ×
閉じ括弧の前の空白を省略する × × × × × × ×
閉じ括弧の前の句点(。.)を省略する × 省略する × × × × × ×

疑問符(?)や感嘆符(!)の後に空白をあけるのは、わりと普通だと思いますが、「標準」ではチェックしてくれません。

スペルチェック

構成設定  標準 すべて 簡易 公用文 公用文(解説・広報) スペルチェックのみ 表記ゆれチェックのみ 括弧チェックのみ
(スペルチェック) × × × ×
先頭のみ大文字の単語
すべて大文字の単語 ×
数字を含む単語
全角を含む単語
電子メールアドレス・URL × ×
繰り返しの単語
文頭が小文字の単語 ×
スペルの統一 アメリカ式 アメリカ式 アメリカ式 アメリカ式
句読点の用法 ×
スペースもれ 少なめ 多め 少なめ 少なめ 多め 多め 少なめ 少なめ
訂正候補に使用する辞書(日本語名称辞書)
訂正候補に使用する辞書(ユーザー辞書)

「公用文(解説・広報)」が一番スペルチェックでつかまる項目が多いです。

まとめ:結局いろいろ試すのが良い

設定についてお伝えしましたが、結局のところは、自分の用途に合わせて、設定を使い分けることになります。

最初のうちは、何が自分の用途に合うか、試してみないと分かりません。

とにかく「すべて」チェックしてと思っても、不必要な指摘が増えてしまうために、実用には適さないのです。

カラピー
カラピー

試していくうちに、必要な設定がわかってきますよ