良い企画を生み出すために【与件の整理】をしよう

企画・発想の技
はじめちゃん
はじめちゃん

先生から、給食のおかずのみんなが残さないようにする方法を考えてって言われた

シルベッシー
シルベッシー

おかず美味しくないの?

はじめちゃん
はじめちゃん

ボクはいつもちゃんと食べてるよ。ニンジンがちょっと苦手だけどね

カラピー
カラピー

最初に先生のお願いを整理してみようか

クライアントから仕事の発注や、コンペの依頼があったとき、最初にどんな要望なのか、情報を整理する必要があります。

コンペ:複数の会社の中から良いアイデアを出したところへ発注する方法(コンペティションの略)

この事前に伝えられたクライアントの要望のことを『与件(よけん)』と言います。

今回は、この与件の整理の仕方をお伝えします。

良い企画のために、与件の整理はとても大事です。

今回の記事は
【誰に】クライアントからの依頼内容を整理したい方、企画を始める前に何をすればいいか分からない方
【何が】与件(与えられた条件)の整理のしかた、気にするポイントが理解できます

企画のやり方・進め方を全10ステップで解説しています。
» 【誰でもこれでできる!】企画のやり方・進め方10のステップ

与件とは「与えられた条件」のことです

与件のイメージ図

お仕事の発注を受けたときに、そのクライアントの要望がいろいろとあると思うのですが、それを「与件(よけん)」と呼びます。

「与件」は「与えられた条件」と覚えてください。

たとえば、
・新入社員教育のツールを作りたい
・理念浸透を漫画を使っておこないたい
・商品の良さを伝える映像を作りたい
など。

企画を考えるときの条件は色々あります。

この条件を企画を考える前にしっかり整理しておきましょう。

与件にはいろいろなことが含まれます

さきほど挙げた、どんなものを作りたいか以外にも、与件に含まれることがあります。

ざっと挙げてみます。

与件の内容
・クライアント名(部署名、担当者名)
・背景
・クライアントが認識している課題
・ターゲット
・納期
・予算

5W1H(何を、なぜ、いつ、誰が、どこで、どうやって)で整理するのもオススメです。

シルベッシー
シルベッシー

はじめちゃんの場合はどうかな?

はじめちゃん
はじめちゃん

クライアントって何?

シルベッシー
シルベッシー

依頼してきた人のことだよ。
ターゲットは、誰に向けてやるか、その相手のこと。納期は、いつまでにやるか
予算は、いくらお金が使えるかだね 

 はじめちゃんの場合
 ・クライアント:担任の先生
 ・背景/課題:みんながおかずを残す 
 ・ターゲット:クラスのみんな
 ・納期:来月くらい
 ・予算:不明

はじめちゃん
はじめちゃん

こうかな。予算は、先生からもらえるのかなあ?

与件整理は、企画前の共通認識つくりと、企画書での腹落ち強化

なぜ与件整理が大事かと言うと、2つのポイントがあります。

一つは、企画する前のチーム内での共通認識を作るため。

同じ話をクライアントから聞いていても、受け取り方が違うということがあります。また、企画に必要だけど不足している情報も分かります。

そしてもう一つは企画書に盛り込むため。

企画書に与件整理を入れると、クライアントの腹落ち度合いが変わる気がします。

『今回いただいたご要望をこちらにまとめました』という感じで、箇条書きで与件をまとめたページを用意すると、それだけで、分かってくれているなと感じさせることができるからです。

もちろんその与件の整理が的外れではいけませんが。

箇条書きの横に、つまりこういうことですねと短くまとめた文章を入れてもいいと思います。
(これはその後の企画の方向性やコンセプトのページにあれば問題ありません)

与件の整理の解説

足りない情報は独自で調べてみる

クライアントから話を聞ける時間は限られていますね。

できるだけ質問やお話の中で、与件にあたる情報を引き出したいですが、実際は足りないことがあります。

そのとき聞けた情報だけで企画を進めるのではなく、必要と思う情報はできるだけ集めましょう。

カラピー
カラピー

営業担当にクライアントに連絡を取ってもらって、追加で聞けるときは聞いておきましょう

また、企画のターゲットとなる人に取材できるといいのですが、難しい場合はターゲットに近い人が社内にいないか探してみましょう。

ーゲットに近い人が見つかったら、企画対象について質問して情報を増やしましょう
(企画対象について、どんなイメージか、利用するとしたらどんな困り事や不満がありそうか、など)

企画対象の商品やサービスであれば、SNSなどで利用者の声を集めておきましょう

このあたりは、次のステップ「情報収集」でも取り上げます。

必ずしも言葉どおりに受け取らない

私の経験では、クライアントの言葉どおりに受け取らない方が良いこともありました。

例えば、予算について。

「300万円で」と言われても、実際の予算はもっとある場合がありました。

カラピー
カラピー

使っていない別の予算を持ってこれる場合もありましたね。

このあたりも営業担当がさぐりを入れることもできるかもしれませんが、企画担当しては、もう少し金額に幅をもたせて提案できないか考えましょう。

たとえば、「ここまでやると良い施策になりますが、500万円かかります。300万円に抑えるなら、ここまでですね」と一部の案を削れるようにする。

あるいは、「300万円で可能な施策をご提案しましたが、追加でこういうプランもあります」のようにオプションで幅を持たせるような感じです。

クライアントに案を選ばせることで、採用される前提で話が進めやすくなる効果もありますので、ぜひやってみてください。

あと営業担当だけでクライアントの話を聞いてくる場合があれば、注意が必要です。

営業担当の方の思ったことが混じることがあるため。

コミュニケーションを多くとって、クライアントの意向と営業担当の考えをしっかり分けて、情報を掴むようにしましょう

理想は、プレゼンの場面で「そうそう、分かってるね」とか「ほんと、そこに困っているんだ」とかいう反応を得られることですね。

カラピー
カラピー

こういう反応を得られた場合は、与件の整理がうまくいったということです

はじめちゃん
はじめちゃん

先生からお金をもらって、全部食べた子にそのお金をあげれば解決するんじゃないかな

シルベッシー
シルベッシー

たぶん、先生そんなにおこづかいが無いと思うよ

はじめちゃん
はじめちゃん

先生のおこづかいを増やすアイデアも考えてみるかー

シルベッシー
シルベッシー

企画の方向がずれていく・・・

カラピー
カラピー

読んでいただき、ありがとうございました!

与件の整理ができたら、「情報収集」をしましょう。