
じーー

はじめちゃん、どうしたの?

シルベッシーって頭にゼンマイ付いてるけど、それ何に使うの?

これは充電するためのものだよ。ときどき回してもらわないと生きていけないの

(いつも回してあげてたけど、知らなかった)
商品の新規開発や改良をするときや、新サービスを企画するときに、ターゲットとなる利用者(ユーザー)を観察するステップがあります。
今回はこの「観察」について、お伝えします。
今回の記事は
【誰に】企画のターゲットについてどう調べればいいか分からない方
【何が】ターゲットの観察のしかた、観察のポイントが理解できます。
企画のやり方・進め方を全10ステップで解説しています。
» 【誰でもこれでできる!】企画のやり方・進め方10のステップ
観察とはターゲット(ユーザー)をじっくり見ること
たとえば、商品であれば、その商品を使っている場面で、商品を使っている人がどうやって使っているかをじっくりと見ます。
サービスでも同様です。
観察することで、いろいろな気付きを得ることができて、その後の企画の役に立つからです。
じゃあ、どうやって観察すればいいのか。私が実践していた観察の方法をお伝えします。
デザイン思考における観察の重要性
デザイン思考ってご存知でしょうか?
少し前に日本でも流行った思考法です。
デザイン思考;
イノベーションを生み出すために、優れたデザイナーやクリエイターの思考法を使うこと
このデザイン思考というものは、特に前例のない未知の課題の解決に有効と言われていて、
以下のようなステップをとります。

この最初のステップ「共感」において、観察という手法がとても重要なのです。
デザイン思考は、イノベーションに有効な思考法と言われています。「企画」という切り口でも参考になることがたくさんありますので、別の機会にお話できればと思います。
ターゲットの観察は実際使っているところでおこないましょう(共感マップ)
観察はいろいろなやり方があります。
ユーザーが対象の商品やサービスを使っている場所へ行って観察したり、利用している様子を撮影したり。
基本的には実際に使っている状況の中で観察していきます。
ミステリーショッピングリサーチ(お客のふりをしてスタッフを観察する方法)も観察になりますね。
ひとつ私がやっていた方法をお伝えします。
『共感マップ』というフレームを使って、観察をするもの。
共感マップについては、以下の本で紹介されています。
デザイン思考を学ぶ入門書です(まんがなので分かりやすいです)。
デザイン思考については、こちらの記事をご覧ください。
フレーム(枠組み)はこんな感じ。

やり方は簡単。対象となる人を観察して、その発言(言っていること)、行動(やっていること)などをメモっていくのです。
左側の「SAY」「DO」が実際に見たり聞いたりしたことを記入。
右側には、そこで利用者がどんなことを考えたり、感じたりしたかを(推測して)記入します。
MaaSと言う移動サービスについて企画を考えるときに試してみたものをお見せします。
私は、以前地下鉄とバスで通勤していたので、そのとき観察したものです。

スマホのメモ帳アプリに気づくたびに入力しておいて、最後にまとめました。
これをメンバーと共有して、そこに潜む課題を出していきます。
ただただありのままを見て聞いて、自分の推測を入れない
なにより大事なことは、ありのままを観察するということ。
さきほど紹介した「共感マップ」で言えば、左側の欄ですね。
まずはこのユーザーの言動をそのまま観察して、メモしていきましょう。

じーー

今度は何?

シルベッシーってカワイイよね

あ、ありがとう(照)
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)について
ありのままを観察するときに、邪魔するものが「アンコンシャス・バイアス」というものです。
アンコンシャス・バイアスとは日本語にすると無意識の偏見です。
自分が無意識に偏った見方をしているということ。
例えば、
・出身校で相手を判断する
・血液型で、相手の性格を想像する
・男性はメカに強いと思う
・ピンク色は女性用と感じる
・外国人は自己主張が強い
・雑用は若手がやるもの
どうでしょうか。このような無意識の偏見が邪魔をして、観察にかたよりが出てしまうことがあるので、注意しましょう。
あくまで、ありのままをまず把握してから、無意識の偏見が入ってないかチェックするといいでしょう。
『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』『漫画 君たちはどう生きるか』などのメガヒットを生み出した、株式会社コルク代表取締役社長で編集者の佐渡島庸平さんはご存知でしょうか。
佐渡島庸平さんはは著作『観察力の鍛え方』の中で、このアンコンシャス・バイアスについて多くを語っていました。

自分が感じている世界は自分だけのもので、他の人には他の人の世界があるのだ

急に難しいこと言う・・・
ターゲット観察が良い企画を生み出します

水のいらない冷凍餃子ってありますよね。味の素の水のいらない「ギョーザ」は、観察の結果、生み出された商品だそうです。
消費者の方に家庭で使っているフライパンを持ってきてもらい、冷凍餃子を作ってもらい観察しました。すると多くの人が、水の量を適当に入れていたことがわかりました。
水が適量でないと美味しくできませんよね。
商品としては、トレイで適量の水が測れるように工夫してあったのですが、気づいてもらえてなかったのです。
そこで、最初から水分を油に含ませる商品を開発したそうです。

お母さんが作るギョーザはね、中にシューマイが入っているんだよ

ややこしい! でも食べてみたい

読んでいただきありがとうございました!