
ぼくね、書道で特待生になったんだよ

ほんと? はじめちゃん、字きたないよね

そんなことないよ、ふぉんとだよー

なんかなまってるけど

えー、ふぉんとにー?
文化、宗教、産業が大きく発展したことに印刷という技術が貢献していることは間違いないでしょう。
印刷という技術は、ハンコ(活字)から始まり、その後写植、DTPへと進化していきました。
今回は、印刷で重要な要素のひとつ、文字表現についてお伝えします。
今回の記事は
【誰に】印刷における文字表現について知りたい方、フォントや書体について知りたい方
【何が】フォントとはなにか、書体との違い、文字表現の歴史について学べます
フォントとは、同じサイズで、書体デザインの同じ活字が一揃いしているもののこと
普段みなさんがパソコンやスマホで文字を打つときに使っているフォントですが、その成り立ちはご存知でしょうか。
そもそもフォントを使っているという意識がない方もいるかもしれませんね。
例えばスマートフォンでLINEをしているとき、その文字はフォントというデザインされた文字が使われています。
パソコンで、書類や年賀状を作ったりしたことがあれば、文字の形を選んでいるのではないでしょうか?
明朝体とかゴシック体とか聞いたことがあるのではと思います。
フォント(font)は、もともとは「同じサイズで、書体デザインの同じ活字が一揃い(ひとそろい)しているもの」を指す言葉です。

「同じサイズ」というのは、文字の大きさが同じということです。
「書体」とは、同じコンセプトに基づいく一貫した字の形のことです。
「活字」というのは、簡単に言うとハンコです。
「一揃い(ひとそろい)」というのは、例えばひらがなであれば、「あ」から「ん」まで揃っていること。漢字であれば、常用漢字が揃っているということを指しています。

ちょっと難しい
そして「もともと」と書いたのには意味があります。
フォントとは書体の同じものが一揃えしていることを指すので、書体とは厳密には同じではありません。
たとえば特徴のある手書き文字や、彫刻の文字の意匠は書体とは言えますが、一揃えされてなければ、フォントとは言えません。
しかしフォントという言葉が、コンピューターやインターネットが普及して、文字のスタイル全般を表す言葉として広まっていきました。
なので現在では、フォントと書体を同じ意味で使っている場合がほとんどです。

使い分けを気にしなくていいってことね

厳密には違うということだけ覚えておきましょう
文字表現は、活字から始まり、写植(しゃしょく)を経て、DTPへ移行しました

フォントがなぜ必要かを理解していただくために、文字表現の歴史について、触れておきます。
もともとは手書きしていた文字を、手書きしなくて済むようにしたのは、ハンコです。
ハンコは中国で生まれました。
粘土に文字を彫り、それを焼き固めてハンコにしていたそうです。
その後、木で彫ったハンコも作られるようになりました。
その後、紙が発明され、ハンコを紙に押すようになりました。

すごい発明だね
その後、その技術はヨーロッパに伝わり、機械でハンコを押せるものが発明されます。
このときに作られたのが「活字」です。

活字とは文字や記号が逆向きに突起した四角柱状の鋳造物のことです。

原理はハンコと同じだね
そして、文字表現を豊かにするには活字そのものを、いくつも用意する必要がありました。
しかし、手書きしていたときに比べて、はるかに多くのことを多くの人に伝えられるようになりました。

写植(しゃしょく)時代
写植(写真植字) とは、写真のように露光と現像によって文字を印画紙に焼き付ける手法のことです。
レンズを使って文字の大小はもちろん、長短や傾きを変化させることも可能になりました。
私が会社に入った当時は、電算写植機を使って印刷用の版を作っていました。まだパソコンもない時代です。

江戸時代?

昭和です
DTP時代
その後、写真の処理、文字入力、レイアウトなどがすべてコンピュータ上で行えるようになりました。
これをDTP(DeskTop Publishing)、デスクトップパブリッシングと言います。
デスクトップというのは机の上のこと、パブリッシングというのは出版とか発行という意味です。
そして文字表現もコンピュータ上でできるようになり、さまざまなフォントが生まれていったのです。

ふぉんとにすごいんだねえ
フォントの種類(書体デザイン)
フォントは「同じサイズで、書体デザインの同じ活字の一揃い」だとお伝えしました。
ここでいう書体デザインというのは、同じコンセプトに基づいく一貫した字の形のことですが、この書体も特徴で次のように分けられます。
・欧文書体(セリフ、サンセリフ、筆記体風)
・和文書体(明朝、ゴシック、その他)
一つずつ説明します。
欧文書体

セリフ系:セリフ(三角形の飾り)がついているもの
サンセリフ系:セリフがついていないもの
筆記体風系:筆記体のようなセリフにもサンセリフにも当てはまらないもの

和文

明朝系:ウロコ(セリフの一種)があり、縦棒が太く横棒が長いもの
ゴシック系:ウロコはなく、縦棒と横棒のめりはりも少ないもの
その他:伝統的な手書き書体に基づくものなど

ただし、最近は本当にいろいろなフォントが生まれており、上記の区分に当てはまらないものも増えています。
フォントは、伝える文章や言葉のニュアンスも変わるほど、文字表現の重要な要素です。

まるい文字だと、やさしく感じるね

ふぉんとだー

書類を作るときなどに、フォントを意識してみましょう
自分のパソコンに入っているフォントの調べ方
ちなみに自分のパソコンにどんなフォントが入っているか調べたい方は、次の方法で調べることができます。
Windows:
コントロールパネル⇒デスクトップのカスタマイズ⇒「フォント」
Mac:
起動ディスク(Macintosh HDなど)⇒アプリケーション⇒「Font Book」
または
Launchpad⇒その他⇒「Font Book」
最近はあまりないかもしれませんが、パソコンのソフトウェアの調子が悪くなる原因にフォントが影響しているということがありました。
もし、急にソフトの調子がおかしくなったときは、最近入れたフォントが原因かもしれません。
フォントの数が多すぎるとパソコンが不調になることもあるようです。

えー! ふぉんとに〜?

さいごまで「ふぉんとに」を使ったねえ

読んでいただき、ありがとうございました!